人気ブログランキング | 話題のタグを見る

安田塾メッセージ№56      【第19回安田塾】

                                  2013年3月20日 安田忠郎
                    第19回安田塾のご案内

 第19回安田塾は、下記の要領で開催されます。
【日時】2013年4月20日(土)午後2時~4時30分
【講師】白石広子(しらいし・ひろこ)
【テーマ】「じゃがたらお春伝説の検証~」

【講師略歴】
1944年、大阪市に生まれる。
学習院大学の学部・大学院で日本語日本文学専攻。
夫君のジャカルタ赴任で1980~90年代の8年間、同地に居住する。 
近世異文化交流史研究家、東京大学ユーラシア科研研究協力員。

【講師著書】
『じゃがたらお春の消息』勉誠出版、2001年
『長崎出島の遊女』勉誠出版、2005年
『バタヴィアの貴婦人』新典社、2008年
安田塾メッセージ№56      【第19回安田塾】_a0200363_15331992.jpg
【安田の寸評】
・私は学生時代からこの方、広義の異文化交流・国際交流をめぐる心(ex.愛憎)の葛藤の物語に磁石のように惹きつけられつづけてきました。そこでは岡倉天心(安田塾メッセージ№19参照)・森鴎外・夏目漱石・永井荷風のような大物文人の思想的たたずまいもさることながら、大黒屋光太夫(1751~1828)・ジョン万次郎(1827~98)・楠本イネ(1827~1903)・唐人お吉(1841~90)・川上貞奴(1871~1946)・岡田嘉子(1902 - 92)のような一私人の人間的・実存的たたずまいが、私の問題意識を刺激しつづけました。そして私の場合、この後者の系譜をたどりながら、ヤジロー(アンジロー、1511?~50?、「日本人最初のキリスト教徒」)・高山右近(1552~1615、「代表的なキリシタン大名」)、さらに“じゃがたらお春”(1625?~97)…にも行き合いました。
・じゃがたらお春は江戸時代初期に鎖国でバタビア(ジャカルタ)へ追放された、長崎生まれの混血女性(父・イタリア人+母・日本人)。「千はやふる、神無月とよ」で始まり「あら日本恋しや、ゆかしや、見たや、見たや」と結ばれた「じゃがたら文(ぶみ)」で巷間知られています。
・異文化交流史研究・洋学史研究に造詣が深い白石さんは、「主に長崎出島を舞台とした異文化交流から、現代に通じる日本人の国民性、国のかたちを考える」観点に立って、お春の実像を追い求めつづけ、お春像を「国際人として生きた日本人の先達」として再構成しました。

【余談】
 私・安田はコロンビア大学東アジア研究所に在任当時(1999~2000年)、ニューヨーク市立大学の霍見芳浩(つるみ・よしひろ)教授に種々お世話になりました。
 彼は慶應大学経済学部助手を経て、1968年米国ハーバード大学で日本人初の経営学博士号(DBA)を取得、そしてカナダのクイーンズ大学→ハーバード大学→コロンビア大学→カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の各教授を経て、1980年より現職。
 私は滞米中、彼が「第一級の国際感覚を持った知識人」との世評を得ている事実を知らされつづけました。オープンでストレートな彼の発言の数々は、常に私の耳目を奪ったものでした。彼は私に向かって、しばしば「国際的に生きるとは、どういうことか」をテーマ化し、例えば次のような話題を提供してくれました。
・「今の日本には型破りの人材―国際感覚や歴史感覚を身につけた、そして社会正義感にあふれた人物―が必要である。」
・「日本人はディベートがあまりにも下手で、感情が表立ちすぎる。」
・「英語の重要性が世界的にとみに高まっているものの、いまだに日本は北朝鮮と同等レベルである。日本人は中学・高校・大学の長い間、英語教育を受けながら、そして海外に自由に渡航できるにもかかわらず、ほとんどが英字新聞一つ読めない。それを恥とも思っていない事実が空恐ろしい。」

【会場】武蔵野商工会館5F第1・2会議室
【住所】東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-7
【tel】0422-22-3631(武蔵野商工会議所)
【アクセス】JR中央線&京王井の頭線「吉祥寺駅」中央口・北口(駅前ロータリー)・徒歩5分(サンロードを約150メートル直進→本町新道との交差点で左折→本町新道を約150メートル直進・右側)
http://www.musashino-cci.or.jp/about/map.shtml

【参加費】一般1000円 大学生500円 高校生以下無料 

 024.gif安田塾には、どなたでも自由に参加できます。
   今回ご参加を希望される方は、4月17日(水)までに、下記にご一報ください。
   055.gif tadyas2011@excite.co.jp