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安田塾メッセージ№3     【安田塾の在り方】             

 関係者の皆様へ
                                    2009年8月13日 安田忠郎
                   安田塾の在り方を考える
 

 歳月人を待たず。私が昨年3月に武蔵工大を定年退職して、1年4か月余が過ぎました。
 この間、周知のように小中高の現職教員有志のリードで「安田塾」が立ち上がり、2度の会合が持たれました。それは武蔵工大教職課程に何らかの形で関わった人々の交流会を旨とするものでした。
 
 

安田塾のあるべき姿とは何か 
 私は当初から、たんに旧交を温める「食事会(飲み会)」のみに終始せず、せっかくの「塾」本来の営為を大事にしたいという思いにとらわれていました―。
 そうこうして、私は財団法人・大学セミナーハウス主催「教員免許状更新講習」のプロジェクトリーダーを務め、これまでに3度の講習、各30時間(必修・選択)中の9時間を担当しました(「現代の学校教育が問われているもの」、「学校改革・教育改革」、「現代日本社会における子どもの問題行動と生活指導」、各3時間)。
 この貴重な機会に恵まれて、私は戦後民主主義の洗礼を受けた者の使命と責務について、豁然として悟るところがありました。およそ生きて「学問(=学んで問うこと)」を志す者は、どこまでも「世界の中の日本」の観点に立ち、この日本国を住みやすい「開かれた自由な意識空間」とするために、日本社会の今日的状況下の困難な諸問題に敢然と立ち向かっていかなければならない、と。

 これからの安田塾が学習形態として志向するところは、一定のテーマないしトピックに関する講演ないし話題提供のもと、忌憚のない質疑応答・対論・切磋琢磨の場―その意味での「学びの共同態」―にあります。そこでは、参加者一人ひとりが自らを「生涯一学習者」として律するとともに、他者との豊かなコミュニケーションを図りつづけることが期待されます。

 そこで、安田塾の「明日に向かう」運営態勢に必要な事項を箇条書きにします。
①安田塾は「教育・社会」問題をはじめとする、広義の「文化」総体に関わる「教養」知のテーマ化に努める。
②安田塾は原則として例会+懇親会をもって構成する。
③例会は原則として3ヶ月ごとの土曜日午後に開催する。
④例会は劈頭、主宰者の安田忠郎(やすだ・ただお)が近況報告かたがた、「時代状況下のいま・ここで何を考えるか」を対自化したテーマについて、30分前後のお話をする。
⑤例会の講師(講演者・話題提供者)は、可能なかぎり参加者の持ち回りとし、時宜に即して塾外から招請する。
⑥講師は1~2時間のお話をし、それに基づく質疑応答や討論を参会者とともに行なう。
⑦例会の会場は、経費の節減、交通の利便性、参加人数の多寡などを考慮して適宜選定する。
⑧例会の会費は、原則として1000円(会場費+資料代+講演料)とし、講師を除く各参加者から徴収する。
⑨例会が終了次第、講師を囲んで懇親会を行う。
⑩懇親会の会場および会費は、例会とは別途適切に処置する。
⑪安田塾への参加は、興味・関心があれば誰でも可能である。誰もが例会と懇親会の両者に、また両者のうちいずれか一方に、自由に参加できる。

 今後の安田塾は、上記の意思を体現した運営を積極的に進めていきます。
 

 皆様には、時間と事情の許すかぎり、どうか安田塾の門を叩いてもらいたい!そして、等身大の自分に還ることができるなら、ぜひとも当門に入ってもらいたい!しかし、次の至言をゆめゆめ忘れることなかれ。「講義を聴くこと自由勝手なるべし」(吉田松陰)。